沖縄の政治・経済を語る

沖縄生まれ、沖縄育ちが語ります。

ANA機の那覇空港への緊急着陸について

15日夜、ANA 805便 成田発バンコク行のB787-8型機が、機内から“もや”と“異臭”が発生したとのことから、那覇空港緊急着陸しました。

この影響により、乗客1名が目の痛みと気分の悪さを訴え、沖縄県内の病院に緊急搬送されたとのことです。

 この件に関して、沖縄県の翁長知事への批判が起こっております。

13日の10時過ぎに発生した、普天間基地所属のCH53E型機の窓枠が普天間第二小学校に落下した問題で、翁長知事は政府や防衛局に抗議し、全米軍機の飛行停止を求めた一方で、ANA機の事故に関しては抗議をしていないという点からです。

確かに、米軍機同様に人命に関わる民間機による事故に対して抗議を行わないことは公平ではないように思えますが、米軍機及び米兵が沖縄本島内で事件や事故を毎年起こしていることとANA機及び関係者による事件や事故は、そもそも比較対象になりません。

沖縄県内における民間機による事故(重大インシデント)の発生件数は数える程度しかなく、米軍関係の事件や事故に比べると圧倒的に少ないのが現状です。

更に、民間機は決められた飛行ルートを巡航しているのに対し、在沖米軍は日米合意に基づいて定められた飛行ルートを守らず、住民の真上を飛行することがよくあります。

それが部品の落下や墜落などの問題が発生し、沖縄県民の反基地運動を加熱させている原因でもあります。

この件に関して、翁長知事を批判することは筋違いです。

ただし、普天間基地のすぐ隣にある普天間第二小学校の移転を行わなかったことは、沖縄県宜野湾市側に責任があります。

普天間基地のすぐ隣であることから、普天間基地の危険性を示す為、普天間第二小学校は報道番組によく取り上げられていました。

そんな知られた状況であるにも関わらず、移転反対の声もあり、子供達は日々危険に晒されてきました。

そんな状況下で今回の事故が発生してしまったわけです。

しかし、米軍は"世界の警察"として日本の安全保障上においては必要な存在であり、北朝鮮や中国、ロシアの脅威から守られてきたのは米軍の功績であることは言うまでもないですが、沖縄県内における米軍関係者による事件や事故を減らしていくためには、普天間基地を一刻も早く住民の少ない安全な場所に移設していく必要があります。

特に危険なのは、普天間基地所属の米軍機である為、宜野湾市以南の人口が密集する沖縄本島中南部への飛行を減らしていくためには、移設によって普天間基地を閉鎖させるしかありません。

また同様に、米軍基地負担を軽減させるには、自衛隊の防衛力強化が不可欠であり、米軍に担ってもらっていたことを自衛隊が行なっていく必要もあります。